アンティークが似合う家

アンティークが似合う家 松本市/Y様邸/家族構成:2人

Story

空間にこだわり抜いて、自分たちらしい住まいに

シンプルな外観なのに、「何かあるぞ」と引かれるのは、アプローチに面する大きなアール(曲線)の壁のせいだろう。玄関へと誘うように弧を描き、職人の手による塗り壁の表情が、家人のくつろぎや和やかさを物語っている。
期待は、玄関を開けてさらに高まる。眼の前にはモザイクタイルで装飾されたS字の壁、石が敷かれた土間はどうやら奥まで続いているらしい。ここは家なのだろうか、お店なのだろうか。まるで絵本の主人公になって、秘密の隠れ家の中に入っていくみたいにワクワクする。なんと土間は階段下まで連なっていた。突き当たった左がLDK、正面にはにじり口のような戸があり、これは和室へ抜ける。
大きな窓からたっぷりの日の差すLDKは、インテリアショップのモデルルームといった趣。それもそのはず、アンティークが好きな奥様の希望で、収集した照明や家具に似合うインテリアとすることが、この家のコンセプトなのだ。塗り壁と床など木材の色と質感も見事にバランスがとれて、レトロでお洒落な雰囲気をつくり、お気に入りの品々を演出して、「こう暮らしたい」という個性を見事に実現している。
室内をなるべく仕切らず、一体感をもたせたことで、寝室はそこから家の中のほとんどが見渡せるほど開放的な空間となった。インテリア、間取り、質感……この家には、二人暮しのご夫婦のこだわりがいっぱい詰まっている。

左:玄関ドアを開けると、モザイクタイルで装飾されS字に湾曲した壁が現れる。/ 右:玄関から土間の敷石が奥まで続く。左手にLDK、右手が2階への階段、正面の戸を開くと和室につながる。

左:シンプルモダンな外観のY邸。直線と曲線の組み合わせの妙に、住む人のセンスの良さを感じさせる。/ 右:ダイニング。グリーンのシェードの照明は、奥様が大事にしているアンティーク。この照明の似合うインテリアが、住まいづくりのコンセプトになった。

インテリア雑貨が並ぶLDK。吹き抜けの窓は、UVカットと遮熱効果のあるペアガラスになっている。

デザインとコストの両提案が直接受けられるメリット

バスルームは2階にある。オーダーメイドの洗面台のある脱衣所も含め、リゾートホテルにいるようだ。湯船に浸かって夜景を見るのが何より楽しみだと話すご主人に、サンプロについてたずねると、「設計とコーディネーターの方が直接家づくりに関わり、自分たちの要望を一つひとつカタチにしてくれるところがいい」と答えてくれた。 その家に暮らす家族は、新しい住まいで過ごす毎日にたくさんの夢をもっている。でもどうやったらそれが実現できるのか、間取りのこと、構造のこと、デザインのこと、コストのこと、すべて勘案して具体的で現実性あるプランを描いてくれるプロが、身近にいてくれるととても心強い。洗練されたモノたちにあふれ、雑誌の切り抜きを思わせるインテリアショップに見えて、ここはやはり住まいなのだ。
たとえば、オープンで大胆な間取りに耐震性が心配になるが、この家は耐震等級3を確保する長期優良住宅として認定を受けるほど構造が優れている。また、ウォークイン・クローゼットだけでなく、玄関アプローチに面したアールの内側スペースやロフト、造作家具などを上手に使い、生活感を出すことなく収納を確保し、すっきり暮らす工夫もなされている。
吹き抜けに面した2階の手すりは、木部はスギの下地材、金属部は鉄筋を加工して使っている。コストダウンできるところを見極め、その分を構造などのより重要な部分に振り分ける。空間デザインばかりでなく、そうしたコストバランスの提案をしてくれるのも、設計担当とインテリアコーディネーターが、家族と相対して住まいづくりに関わってくれる大きなメリットだ。
アンティークが歳月を刻み、オーナーから愛情を受けて味わいや豊かさを増すように、上質な毎日がここで積み重ねられることだろう。

洗面所。洗面台はオーダーメイド。浴室の窓は、湯船に浸かったとき夜景が見渡せる位置につくった。

左:和室も間接照明を使うことで、葦の天井をすっきりと見せている。
右:A 大きくとったウォークイン・クローゼット。ほかにロフトもあるので収納力は十分。
  B 寝室にも仕切りがない。大胆な構成だが、吹き抜けのよさをめいっぱい感じられる。
  C 1階のトイレは、洞窟をイメージした個性あふれるデザイン。

キッチンもお洒落で可愛らしい。正面の棚の裏側にも、収納スペースがある。

Owner’s Voice

快適の一言につきます。

  • Q1サンプロを選ばれた主な理由を教えてください。

    一生に一度の家づくりですから、絶対に後悔したくはありませんでした。サンプロさんなら、デザインの良さと素材使いに定評があるし、私たちのこだわりをしっかりと受け止めてすてきなカタチにしてくださるだろうと思ったので決めました。

  • Q2家を建てるときに「こだわったこと」を教えてください。

    愛用のアンティーク家具が似合う間取りとインテリアを中心に考えました。もともとインテリア雑誌を読むのが大好きでしたので、洗面ボウルや照明器具などのアイテムにもこだわって、憧れていた輸入品を取り入れました。

  • Q3家での「お気に入り」の場所とその理由を教えてください。

    一番のお気に入りはリビングダイニングです。アンティーク家具と趣味で集めた雑貨や観葉植物に囲まれた心地いい空間になったと思います。でもオーダーメイドのキッチンや洗面スペース、玄関ホール、ベッドルームなど、本当は家の中も外も全部気に入っているんです。

  • Q4実際にサンプロの家に住んでみての感想を教えてください。

    快適の一言につきます。冬はどの部屋にいても一日中暖かいと聞かされていましたが、正直なところ体感するまでは本当かな?と思っていました。でも住んでみると、朝、起きるときも、夜、家に帰ったときも暖かくて、今までの凍えるような寒さを忘れてしまう快適さ。また以前はエアコンなしでは夏を過ごせませんでしたが、今はエアコンなしでも健康的で快適に暮らしています。

Plan & Data

敷地面積
306.79㎡(92.80坪)
延床面積
105.66㎡(31.96坪)
1F面積
58.71㎡(17.76坪)
2F面積
46.95㎡(14.20坪)
ロフト面積
12.42㎡(3.76坪)
設計者のこだわり
長期優良住宅として特に構造にこだわりました。大きな吹き抜けとロフト、オーバーハングにアールの壁。構造計算を何度もシミュレーションし、デザインと耐震性のバランスをとりました。過半の材木に木曽ヒノキを、梁に県産アカマツを用いるなど、地産の材木を使いながらも、インテリアの個性が引き立つように設計しました。

著作権について
このページに記載されている記事本文、写真等は「住まいNET信州」VOL.15より転載しています。
こちらの情報の著作権は、住まいづくりデザインセンター信州に帰属します。

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