北佐久郡/リノベーション/大自然と非日常の中に息づくアート クリエーションを支える漆黒のアトリエ

北佐久郡/リノベーション/大自然と非日常の中に息づくアート クリエーションを支える漆黒のアトリエ 北佐久郡/O邸 家族構成/夫50代、妻50代、猫2匹

首都圏を中心に花に関わる仕事をしているOさん。自然豊かな環境で創作活動を楽しむための今回のリノベーションは、暮らしの根幹を支える性能向上と、黒を基調にギャラリーのような空間をつくることにこだわった。工事中は何度か現場を訪問。「出来上がりまでの過程を楽しみつつ、安心してまかせられました」とOさん

Before

左側に見える洋室はリビングと引き戸で仕切れるようになっていたが、元の間取りを活かしつつ引き戸と壁を取り払い、リビングとつながるワークスペースに生まれ変わった

Story

不安を期待に変える
大きな安心感が決め手に

「緑の多いところで、花を扱うアトリエを構えたい」と考えたのがリノベーションの始まり。東京からアクセスの良い別荘地を中心に、最初は気軽な感覚で物件選びをスタートした。1番の希望は、平地で自然に近い環境。当初からリノベーションを想定していたため、先々まで使える耐久性の高い建物という点も必須だった。この家の第一印象は、足裏で感じた「土台がしっかりしている」という感覚。「空間の心地よさもほぼ直感。自然を感じつつも利便性の高い立地も気に入りました」。
初めての土地で、初めてのリノベーションとアトリエづくり。不安もあったが、「一番具体的にスピード感を持って対応してくれたのがサンプロさん」と振り返る。感動したのは3Dの設計図や断熱シミュレーション。「こうなりますっていうのが、イメージでも数値でも把握できました。断熱シミュレーションでは、避暑地仕様から冬でも快適な住まいになるのが一目瞭然。安心できました」と話す。ほかにも「大好きなタイルを『一緒に張りましょう!』とDIYを応援してくださって。楽しく取り組めましたよ」と笑顔がこぼれる。
作品づくりは庭で行うことが多く、室内はもっぱら撮影が中心。どこを切り取っても花が映える空間は、想像以上の仕上がりだ。「将来ここでワークショップを開催したいな」と話すOさん。美しい自然に囲まれ、あふれるほどのインスピレーションを与えてくれるアトリエが完成した。

厚みのある無垢のフローリングは木目がくっきり見えるデザインを選択。黒の壁やキッチンとの相性抜群で、モダンな空間になじむ

とびきりの開放感を満喫できるキッチン。大きな開口部から美しい自然を眺められるのは、信州にアトリエを構えたからこその楽しみだ

重厚感のある梁や勾配天井など、木造住宅の良さをさらに輝かせられるのもリノベの醍醐味。「マンションでは味わえない伸びやかさと開放感に、インスピレーションが刺激されます」

ショールームを巡って探し回ったという黒のキッチンは、モダンでスタイリッシュなイメージがピタリと合ったサンワカンパニー製。右手壁の黒タイルは、Oさんがひとりで張り上げたというから驚き

畳を黒に変え、和室のイメージを刷新。間接照明の当て方に悩んだというが、「天井に当たってこぼれる光は温もりがあり、心和む部屋になりました」と大満足

抜け感のある伸びやかな空間づくりは当初からの希望。改修前は冬の冷え込みに驚いたというが、シミュレーションの数値に基づいた断熱のおかげで快適に過ごせている

平地の庭は、物件を選ぶ上で重視したことのひとつ。屋内外を行き来しながら自由に創作に打ち込める環境が整い、活動の幅も広がったそう

当初はアトリエとしてのみ使う予定だったが、豊かな住環境にすっかり魅了され、ひんぱんに行き来しながら2拠点生活を満喫中。日々移り変わる雄大な自然が、Oさんの感性を刺激しているに違いない

「見始めたら次々使いたくなってしまって」という大好きなタイルは、リビング以外に洗面とトイレ、キッチンの一部に使用。浴室以外の水回りは全て設備を入れ替えて快適かつスタイリッシュに整えた

玄関ホールも塗装で一新。全ての窓をダークトーンの二重サッシに変更し、イメージを守りながら家全体を暖かく保つ工夫がされている

創作にも日常にも映えるタイル壁
「庭まで含めたすべてを気に入っていますが、中でもお気に入りを挙げるならやっぱりダイニングのタイル壁」とOさん。自然光と梁から落ちる間接照明の光がもたらす陰影は見惚れるほど美しく、食事や仕事などどんなシーンでも、目に入るたびに嬉しくなるとか。「やってみたい」の一心で相談しましたが、現場監督さんはじめ皆さんに支えていただき、本当に感謝しています」。

Plan & Data

1F:ダイニングを中心に左右の部屋の壁を抜き、広々したリビング兼ワークスペースを実現。天井も取り払って屋根の勾配を活かし、開放感のある空間に仕上げた。キッチンは対面に変えてコミュニケーションを取りやすく、料理中も大きな窓から外の景色が楽しめる。

築年数
28年(1990年完成)
工法・構造
木造軸組工法、1階建て
リノベーション竣工
2021年8月
工事費
1,200万円台
工期
5カ月
外部仕上げ
屋根/既存屋根を高圧洗浄 外壁/木部塗装(キシラデコール)・既存外壁を高圧洗浄
内部仕上げ
1F 床/無垢フローリング 天井/クロス 壁/クロス、一部タイル張り
ココがポイント
信州の寒さに応じた断熱施工は当社の強みのひとつ。県外在住のOさまのため、念入りにシミュレーションを行いました。デザイン面では、アトリエの世界観を細部にまで反映。タイル好きだというOさまの夢が詰まったDIYは、私にとっても楽しい思い出です。
株式会社サンプロ リフォームアドバイザー 菅沼亮介さん

著作権について
このページに記載されている記事本文、写真等は「ナガノの家リフォーム・リノベーション」VOL.6より転載しています。
こちらの情報の著作権は、株式会社長野こまちに帰属します。

VIEW ALL
ホーム > 北佐久郡/リノベーション/大自然と非日常の中に息づくアート クリエーションを支える漆黒のアトリエ