つなぐ家安曇野市

構造:木造2階建/敷地面積:81.29坪/1階面積:22.61坪/2階面積:13.28坪

STORY

  • つなぐ家

    家族一人ひとりの居場所が大事

    まず目に留まるのが、大きな吹き抜けの下にあるリビング・ダイニング。
    白壁に障子、床はオークフローリングという和モダンの雰囲気の中、昼は高窓から陽光が降り注ぎ、夜は薪ストーブの炎が揺れる。

    楽しげな気配は吹き抜けを介して2階の個室にも伝わり、足は自然に1階へと向けられる。
    待ち受けるのは、薪ストーブ、ソファー、ダイニングテーブル、十分に腰を下ろせる広さの階段。
    思い思いの場所でくつろげる、程よい距離感が何ともうれしい。
    西側の開口部を開ければ、軒が深く出たテラスもリビングの仲間入り。安曇野のシンボル・常念岳の美しい姿が楽しめる。

    また、吹き抜けを見上げれば杉板天井が屋根なりの勾配で2階まで続き、空間に奥行きをもたらしている。
    2階には吹き抜けに面したカウンターが用意され、1階の気配を感じながら一人の時間を過ごせる。
    個室に入れば、西向き窓の向こうから常念の絶景が出迎えてくれる。
    何と贅沢なのだろう。

  • つなぐ家

    機能的な回遊式プラン

    快適な居場所づくりの一方で、動線計画も抜かりない。
    対面式のキッチンを中心に、ぐるっと1階全体を回れる回遊式だから、作業がはかどる。
    さらに、一大発明ともいえるのが、キッチン脇に子どもの勉強カウンターを配するアイデア。
    これなら、子どもを視界の隅に入れながら安心して料理できる。
    収納スペースをたっぷり確保しているのも頼もしい。

  • つなぐ家

    自然の力で快適に

    そして、暮らしを支えるのに一役も二役も買っているのが、薪ストーブだ。
    炎の熱が1階を暖めながら、吹き抜けを介し2階にも伝わるから、家全体の暖房機能をまかなえる。
    信州の冬場は氷点下10度を下回ることもあるだけに、なかなかの優れものといえるだろう。
    夏場は、深い軒が日差しを遮り、室温の上昇を防ぐ。

    軒下のテラスから階段を通って2階に風が抜けると同時に、熱い空気は高窓から逃げていく。
    このように、自然の力を利用して室内を快適にするパッシブデザインの考え方が家全体に行き渡っているのだ。
    人に優しく環境にも優しいとは、もはや言うことなしだ。

  • つなぐ家

    家族をつなぐ、世代をつなぐ

    東隣には、同じくサンプロが手がけたご両親の家が建っている。
    別々の建物でありながら、屋根のシルエットがなだらかな山脈のようにつながって見える。
    しかも、勝手口とご両親の家の玄関の位置がそろっているから、お互いの距離感も近い。
    家族をつなぐ家は、世代をつなぐ家でもあったのだ。

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