2016.10.03
ブナ材の特徴
無垢材として使用される木材で、最も有名なのは、ヒノキやヒバといった樹木のものではないでしょうか。
しかし、無垢材としてしようされる木はたくさん種類があります。
そこで、今回は、無垢材としてもよく使用されるブナについて紹介していきます。
ブナは、落葉系の広葉樹で、温帯性落葉広葉樹の主要構成種です。
樹皮は灰色できめが細かく、独特の模様に見えることもあります。
葉は楕円形で薄くてやや硬めのもので、葉が波打っているのが特徴の一つの木になります。
ブナは、ビーチとも呼ばれる木材のことです。
日本では、北海道の南部から本州、四国、九州の山の奥地に多く生育します。
南限は、鹿児島県高隅山です。
ヨーロッパでは、イギリス、北米の東部全域、EUの中・西部で産出されます。
このブナ・ビーチの特徴は、木離が通直で肌目が密になっていることです。
そのため、重硬な木材で加工性、接着性に比較的優れていると言われ、衝撃にも強くなっています。
ただし、変色や腐食や狂いがはなはだしく、乾燥をしっかり行っていない木材だと、曲がりやよじれなどの狂いが生じてしまうので注意しましょう。
粘りがあるため、曲木加工に適している木材ですが、耐朽性が極めて小さくなっています。
また、柾目には斑点が出るのも大きな特徴と呼べるでしょう。
色は、乳白色をしており、辺材と心材の境界線が不明瞭で分かりづらくなっているのです。
では、ブナ・ビーチ材は、どのような用途で使われているのでしょうか。
粘りがあり、曲木加工に適しているため、主に脚物家具の材料として利用されています。
その他にも、内装材、床材、ベニヤ板、スキー板、筆や刷毛の柄、木製の玩具、楽器の鍵盤など、様々な箇所で使われているものです。
実は、ブナは、腐りやすい上に加工後に曲がって狂いやすい性質があるため、20世紀の後半まで用材として好まれなかったものなのです。
そのため、用材として使われる前までは、薪や炭の材料、下等品としてしか利用されてきませんでした。
しかし、日本では、平安時代から鎌倉・室町時代にかけては、上質のケヤキに代わるものとして漆器の椀や皿などの普及品の材料としては欠かせないものであったとされています。
現在では、薬品処理と合板の出現のおかげで加工需要が増えてきています。
そのため、家具や床材、内装材にも使われることがあります。
昔から人々の生活に慣れ親しんできたものがブナと言えるでしょう。
ぜひ、無垢材を使用する際には、検討してみてください。