2016.09.23
木の家が暖かく感じる理由って
木でできた住まいはなんとなく暖かみがあってリラックスしますが、これは印象だけでなくいくつもの理由があるのです。
それはこの素材がもつ快適さからくるものです。
まずヒノキやスギなどでできた建物に入ると良い香りがして気持ちがリラックスします。
これはヒノキやスギなどが持つ香り成分に由来します。
アロマテラピーに使われるエッセンシャルオイルにもなっているこれらの香りの成分はα-ピネン、テルペン、リモネン、ショウノウなどがあり、これが香りとしてダイレクトに脳に働きかけてリラクゼーションを引き出してくれるのです。
またこの素材は視覚からも優しさをもたらしてくれ、日光のうちの目に刺激となる紫外線をほとんど吸収してくれるという働きがあります。
そのためヒノキやムク、スギやサクラなどの天然素材でできた住まいは目に優しくリラクゼーションを引き出してくれるのです。
また機能的にも多くの優れた面があり、毎日の生活を快適にする効果があります。
注目すべきはその吸湿性です。
日本には美しい四季がありますが、生活面においては夏は暑く湿度が高く、冬は寒く乾燥してしまうという短所があります。
一年の中で夏は除湿機、冬は加湿器などさまざまな家電を使い分けなくてはならない日本の家屋に最適なのが木が持つ吸湿性です。
集成材などは大変吸湿性が高く、その室内空間の湿度を55%程度に維持する働きがあります。
快適な湿度が40%から70%と言われていますから、いつでも快適な空間を維持することができるのが大きなメリットです。
壁素材がビニールなどの化学素材の場合には室内空間の湿度が上がりすぎたり結露の原因となってしまうため、カビが生えるなど健康上のデメリットも否めません。
フローリングに無垢材を使えば歩くたびに足の裏の湿気を吸湿してくれるので、足も心地よく快適に室内を移動することができます。
温かみのある優しい感触もムク材のフローリングの大きな魅力になっています。
高温多湿の日本の生活において、この吸湿性が室内空間をより快適で健康的に保つ働きがあるのです。
熱伝導率が低く、断熱性が高いのも住まいを快適に維持するポイントです。
鉄に比べてその熱伝導率は1/200という低さで夏の暑さ、冬の寒さから住まいを守ってくれます。
このように木は日本人の住まいづくりに古くから欠かせない存在でした。
木造在来工法に受け継がれた木を使った家づくりは現在でも日本の住まいの中心となっています。