2022.07.09

一見、同じベタ基礎ですが・・・

株式会社 SUNPRO 建築設計の贄田 謙二です。

家を支える重要な基礎。でも、基礎工事が始まって3週間もすると構造が殆ど見えなくなってしまう基礎について少し解説させていただきます。

①先ずは最初に図面通りに建物の位置を縄を張って位置出しを行います。

 この時、境界や目印がはっきりわかると出しやすいのですが中々苦戦することもしばしばです。

 間違えると屋根が隣の敷地にかかったり建築基準法にひっかかたりと、取り返しのつかない事となりますのではっきりと境界の確定をしておくことが大切です。

 

②位置が出ましたら基準の高さを糸で出します。丁張(ちょうはり)といいます。

  建物の正確な高さを出す作業のことで、 別名、水盛り・遣り方(みずもり・やりかた)とも言います。

 基準となる地面の高さを決め、約1.8m間隔に水杭(ミズグイ)を立て、
 基礎の上端の高さ(水平ライン)を記し水貫(ミズヌキ)でつないでいきます。

 水貫と水貫の間に水糸を張って、基礎の中心線を印します。

 現在はレーザーによる位置出し器を使って直角や水平を出しますが、昔はアナログな方法で正確な直角や水平を出していました。

 それを基準に掘る深さや幅などを出していきます。

建物は凍結しない深さまで掘り下げ建物を建てますので、寒冷地ほど深く掘り下げることとなりその分コストもかかる事になります。

③根切りと割栗の作業になります。地面を掘って底を作ります。その際に大量の土が出ますので狭小地の場合、処理場へ持っていき処分しなければならないので費用が発生します。

割栗(わりぐり)は、根切りした地盤面に割栗石、砂利などを敷き詰めて締め固める作業です。根切りした地盤の底は、柔らかくなっています。そのまま捨てコン、基礎を打設すれば正確に「水平」を出すことができません。根切り底が安定するよう、割栗地業を行います。

 

 

 

 

上の右の写真の凹んだ部分は地中梁と言います。構造計算をすると地中にも必ず梁が必要になります。とても重要な構造部分でこの地中梁が、あるかないかで構造計算をしっかりやっている会社かわかります。ご近所で基礎工事が始まったら是非、注目してみてください。

 

 

 

 

④基礎配筋工事とは、基礎鉄筋コンクリート構造体の骨組である鉄筋を組み立てる作業です。

基礎の重要な役割は建物を長期に渡ってまっすぐに保つ役割と、地震のときに働く横向きの力を受け止める役割です。太さやピッチ、種類など色々組み合わせて配筋していきます。特に重要な地中梁にも多くの鉄筋が使われ建物をしっかりと支えています。

 

 

 

 

 

⑤アンカーボルト・ホールダウン金物の施工 基礎と住宅の構造(土台や柱)をしっかりとつなぐ大切な金物です。構造計算により配置や種類を決めていますので、間違いなく設計通り施工されていることが大切です。コンクリートを打つと見えなくなってしまいますのでこの段階で自主検査と第三者による検査を受け設計と施工の確認をします。

 

 

 

 

⑥コンクリート打設

コンクリート打設とは、生コンクリートを型枠内へ流し込む作業のことです。

生コンクリートは製造されてから、工事現場に到着した生コンクリートを硬化してしまう前に、型枠へ充填させる必要があります。

コンクリートは乾燥による効果ではなく化学反応で硬化しますので、品質確保のためにはコンクリートを打設する際には、適切な施工管理が必要です。

 

 

コンクリートの養生期間後、型枠を外すと基礎の完成です。一見同じ基礎に見えてしまいますが構造計算された地中梁のある基礎は、安心安全な家づくりには決して欠かせない部分です。サンプロの基礎はコストが少しかかってしまいますが安心安全な家の基礎として妥協できない部分です。

構造計算した地中梁のある基礎は比べていただければ圧倒的な違いがあります。ご近所で基礎工事が始まりましたら是非、地中梁の有無を観察してみてください。

 

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