プレミアムな隠れ家のように

プレミアムな隠れ家のように T様邸/家族構成:4人

シャープさもありながら、信州の穏やかな山並みや田園との相性もいい、控えめな外観。植栽や塀を設けることで、外の自然を室内にうまく取り込めるようにした。

Story

ゆったりとしたアプローチの奥に控える玄関。シックな黒の外壁が、佇まいに落ち着きを与えている。インナーガレージは屋内との行き来がしやすく、使い勝手もとてもいい。

坪庭を備えた玄関には、隠れ宿を思わせる渋さがある。地窓が切り取る眺めは、外からはこの家の豊かさを、内からは緑の優しさを、見る人に印象づける。

子どもが実家と呼べる家を、
主としてつくりたかった

家にはたくさんのドラマが集まります。家族一人ひとりの、一日のいろいろな時間の、今日と明日の、来年と5年後と20年後の。
旅先で過ごす時間の舞台の一つが宿ならば、家とは人生というドラマに欠かせない舞台かもしれないとT邸を見て改めて思います。 インナーガレージとたっぷりのアプローチを備えたエントランスは悠々として、また漆黒の壁の効果もありしっとり艶やかです。しかも主張し過ぎない外観と周囲の緑との相性もよく、あたかも大人の隠れ宿を訪ねたようです。
屋内も上質な空気に満ちています。まずチーク材の床の濃い色が、空間全体を引き締めつつ、気持ちを静めてくれます。地に足のつく安心感が、とても自然に体を包むのです。
ダイニングキッチンに対して、リビングは1段低く、和室は1段高くしました。吹き抜けを介して連なる2階も含め屋内すべてが一体感を保ちつつ、高低差の生む目線の変化が、それぞれの居場所に特別感を与えています。

珪藻土の壁の柔らかな白とは対照的な、チークの床の硬質で濃い茶が、空間の質感を高めている。ステンレスのクールな印象でまとめられたキッチンには、照明やカーテンなどで女性らしい華やかさ、たおやかさを加味した。

ダイニングの窓からは、アルプスが望めます。住まいづくりと一緒に造園工事も完璧にしたので、窓の縁取る風景は、初めからベストショット。庭の木々が生長すれば、朝な夕な四季折々に、もっと素敵な絵を見せてくれることでしょう。
さらに玄関やお風呂からも窓越しの緑を楽しめるよう坪庭を設けたり、家族共用の図書室兼音楽ルームを配したり、日々の暮らしの中で感性を刺激し、情緒を育むことの大切さをこの家は教えてくれます。
一方で、住宅である以上は機能性にも配慮しました。インナーガレージからパントリー、そしてキッチンへとスムーズにアクセスでき、またキッチンに立つと洗面所とベランダへの動線が横方向へ通ります。収納も適所にたっぷりあって、家のなかはいつもすっきり片付きます。
Tさん家族は、もう転勤を心配せずこの地に落ち着けることが決まって、住まいづくりを決意したとか。「子どもが実家と呼べる家を、主としてつくりたい」。ご主人がその希望を託したのはサンプロ建築設計でした。自然素材を使ったスタイリッシュな家で、どの家を見ても平均値が高いと評価したからです。
これから家族が重ねる日々のドラマが、この舞台をかけがえのない「実家」にしていくことでしょう。

左:リビングはダイニングキッチンより1段低い。目線の変化が空間の表情を変えるだけでなく、それぞれの場をさりげなく仕切ることで、食事はダイニングで、テレビを見るなどくつろぐのはリビングで、と折り目正しい過ごし方ができる。/ 右:小上がりにしてダイニングキッチンより1段高くした和室。高くなった分は掘りごたつや引き出し収納として利用。スタイリッシュな雰囲気のLDKともうまく馴染んでいる。

左:手すりのアイアンやシーリングファンの黒がスマートな印象を与えている2階ホール。天井は床より淡い色にして明るい雰囲気にした。/ 右:オールステンレスのキッチンと造作の棚が機能美の極みを見せるなか、デザイン性の高い照明やスポットライトが、軽やかさと温かみを添えている。

左:二人の男の子のための子供部屋はあえて仕切らなかった。階段で上がれるロフトは、ベッドスペースとするもよし、自分たちらしく使い方を工夫すればいい。/ 右:主寝室の天井は古材を思わせる落ち着いた色を選んだ。愛着のある家具を使い続けるため、収まりの寸法をピタリと合わせて設計施工している。

左:子どもたちの学習スペースは、リビングの一角に設けた。学校から帰ってダイニングでおやつを食べたら、ここで宿題をする。お母さんからすべて目の届く位置だ。吊り棚にはエアコンと神棚のためのスペースを設けた。/ 右:トイレや洗面所はモノトーンのインテリアにした。LDKの醸す濃密な上質さとは違う清涼感・清潔感を前面に出している。毎朝、フレッシュな気分で一日を始められそう。

Owner’s Voice

眺めも住み心地も大満足です

  • Q1家づくりで一番大切にしたことは?

    家族がそれぞれ別々の場所で好きなことをしながら、孤立しない家。

  • Q2こうしておいてよかった、
    と思ったことは?

    風呂から眺める坪庭。ゆっくり音楽が聴ける部屋。照明にこだわったキッチン。たっぷり備えた収納。

  • Q3このビルダーさんに頼んで
    よかったことは?

    お金をかけるべき優先順位をはっきりさせながら、プランもインテリアも良い提案をしてくれたところ。

設計者のこだわり
登山が趣味のご夫婦で、北アルプスを眺めながら暮らしたいという夢を叶えた家。小高い丘の上に立つ家からは北側の北アルプスの眺望を最大限に楽しめるよう、プランニングと窓の配置にこだわりました。また、窓の多い家のため、真空トリプルガラスを採用して断熱性を高めました。夢の暮らしのスタイルと快適性を両立させたデザイン住宅です。

著作権について
このページに記載されている記事本文、写真等は「住まいNET信州」VOL.29より転載しています。
こちらの情報の著作権は、住まいづくりデザインセンター信州に帰属します。

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