リフォーム/小間の多いベーシックな3LDKから暮らしを装うホテルライクな1LDKへ H邸 家族構成/本人
LDKの扉を開けると、遮るものなく放射状に空間が広がる。以前はLDKの一角に和室のあるつくりだったが、間仕切りを取り払って約24帖の空間を丸ごとLDKに改めた。キッチンはオープンなアイランドキッチンを採用し、向きを変更
Before
以前はリビングへの通路伝いにキッチンがあり、南のリビングに向かって対面するスタイルだった
Story
人生を謳歌する舞台は我が家
豊かさと安らぎが叶うリノベ
16年の中古マンションを改修して暮らすHさん。元々賃貸に暮らしていたが、冬の寒さが厳しい上に多忙な生活を支える機器を導入できない環境に耐えかね、マンション購入を考えるようになった。「新築も考えましたが自分に合う物件がなかなかなくて。それなら広めの中古マンションを改修した方がいいと思ったんです」。駅近・高層階の3LDKの物件を見つけると、快適に暮らせる住まいに大規模リノベすることを決めた。
既存は、廊下や小間のある典型的なファミリー向けの3LDK。改修にあたり希望したのは、機能的でゆとりのある1LDKにすることと、床暖房や浴室乾燥機など暮らしを支える設備を充実させること。その上で、高級ホテルのような落ち着きを求めた。完成した住まいは、視界が大きく開けたリビングのある1LDK。おおらかな伸びやかさを叶えたLDKは、どの空間からでもアクセスできる動線も実現した。愛用のキャビネットをベースに整えた室内は、上質感あふれる佇まい。「ここに越して以来、暮らしにゆとりが生まれました。仕事に忙殺される日々ですが、家で過ごす休日が何よりの癒しです」と話すHさんの笑顔が印象的だった。
左/南のサッシは既存のまま。眺望がよく視界が開けているので気持ちがいい。ここからほぼ真正面に、花火大会の花火が見えると言う
右/LDKの窓辺には、書き物やPCをするためのテーブルを置いて書斎風に。多目的に使え、疲れたら目の前の風景でリフレッシュ
左/リビングに入ると、遮るものなく光の降り注ぐ広い空間が広がる。「家具を置いても余白のある、ゆったりしたホテルの客室をイメージし、実現してもらいました」
右/キッチン奥のハイドアは、右が洗面脱衣室・浴室、左はトイレへ。浴室はひと回り大きなユニットバスに改めた。「浴室の南に窓があったのがマンション購入の決め手のひとつ。朝風呂がより贅沢な時間になります」
廊下を無くし、LDKから全ての居室・水回りへ直結する間取りに。ホテルライクをテーマにしつつ、温もりあるブラウンの床や上品なブルーグレーのキッチンなど、心から安らげる雰囲気づくりも心掛けた
左/Hさんが組み立てた3Dウッドパズルやメタルパズルの作品があちこちに
右/イタリア製・チェコッティのキャビネットは、悩んだ末に手に入れた宝物。室内はこのキャビネットやチェアの木色に合わせ、ブラックチェリーで統一した
キッチンは時短機能を重視。必須としていた食洗機はもちろん、自動洗浄機能付き換気扇・クリナップの洗エールを採用。「採用を悩んだIHも慣れれば問題なし。掃除もラクです」
以前は玄関正面に通路があり、左右に居室、その先にLDK入口があったが、上り框の位置を替えて通路をクランクに。不要な空間をつくらず、居住スペースが広く確保できる間取りに
玄関ホールの通路脇には大きな壁面収納が並ぶ。趣味のダイビング道具がたっぷり収まり、まだまだ余裕も。「引っ越しを何度もしたので、荷物の所有量を把握できていたのが功を奏しました」
既存居室のひとつは寝室に。備え付けの収納は取り払い、WICを隣接させて寝室部分を広く確保できた
Before
以前は外廊下に面した居室がふたつあったが、1室は玄関ホールや収納のスペースに変更
左/玄関ホールから寝室へとつながる通路兼ウォークインクローゼット。片側に設けた造作カウンターは化粧台やミシン台になり、引き出しを開けるとアイロン台も開く仕掛け
右/ウォークインクローゼットと玄関ホールを仕切る壁に埋め込んだステンドグラス。視線が抜け、明かり採りにも有効
左/広いバルコニーは楽しみ方いろいろ。「なかなか使う機会がないけれど、休みの日に夕涼みをしながらゆっくり過ごしたいですね」
右/LDKから直接出入りできる洗面脱衣室兼ランドリー。奥には浴室が続く。洗面化粧台は、即座にお湯が出るTOTOのオクターブを採用
廊下を無くしたおかげでトイレも以前よりゆったり。Hさんセレクトの照明は3Dプリンタ製の月を模したデザインで、クレーターが立体的に表現されている。濃紺の壁紙が夜空のよう
Owner's Voice
- 全体のバランスを見ながら提案いただき、賃貸や新築マンションにはない心地よさ・暮らしやすさを感じています。家で過ごす時間にゆとりができたので、休日は家でゆっくり過ごして早めに入浴、明るいうちからグラスを傾けるなんて楽しみもでき、充実した時間が過ごせています。
Builder' Eye
エグゼグティブコーディネーター
熊倉昭子- 動線がコンパクトな、広いワンフロア空間を目指しました。RC造なので、撤去できない既存壁や排水路の勾配確保などクリアすべき課題もありましたが、工夫しながら再配置。開放感のあるゆったりとした空間が実現しました。家で過ごす時間が、癒しの時間になれば嬉しいです。
Plan & Data
- 築年数
- 16年
- 構造・工法
- RC造
- 延床面積
- 79.70㎡(24.06坪)
- リフォーム面積
- 79.70㎡(24.06坪)
- 工期
- 2カ月
- 竣工
- 2021年8月
- 備考
- 引っ越し無し
著作権について
このページに記載されている記事本文、写真等は「ナガノの家リフォーム・リノベーション」VOL.7より転載しています。
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