アンティークスタイルを楽しむ家

アンティークスタイルを楽しむ家 安曇野市/T様邸/家族構成:2人

Story

素材感にヴィンテージの風合いとキュートさを添えて

玄関扉を開けると、白く透徹した世界が広がる。のぞき込むものの姿を偽りなく写す静かな水面のような、あるいは、澄みきった音色がどこまでも高く響くタイトなピアノ演奏のような、そんな空間だ。そして、吹き抜けやハイサイド・ライトからは、まるでプラチナの細かな砂が降るように光が差す。その下でガラス越しのインナーガレージでは愛車が駆られる時を待つ。クールだ。
2階では、張りつめていた空気がすっとほぐれるように、穏やかなくつろぎに包まれる。西側の窓からは北アルプスの山並みと安曇野の田園風景を望む。吹き抜けを中心にして、リビング、ダイニングキッチン、ファミリースペースがぐるりと囲む。全体が一つの部屋のようで、とても伸びやかな空間だ。
南側や東側の開口は大きくないが、ハイサイド・ライトから効果的に光を取り込んで、室内には清涼感とやわらぎが満ちている。クールな玄関ホールを中心とした1階から、木肌の心地よい優しさに触れられる2階へと、甘さを感じさせることなく建物全体の品位が保たれている。変化の中にある美しい統一感こそが、この住まいのポイントなのだろう。

左:ブラウンに塗装した床がアンティーク調のLDKのベースとなっている。/ 右:「仕事を終え家に帰り、薪ストーブの前でただぼんやり過ごすのがとても贅沢に思えます」とご主人。

左:安曇野の青い空と相性抜群の住まい。格子を入れた窓、ドアや庇の色合いも可愛らしさを演出している。/ 右:まるで雑貨店の中にいるようなキュートなキッチンダイニング。

アンティークをテーマにしながら、フレッシュな空気が漂う室内。
サンプロのコーディネーターが提案したシャンデリアと夫妻が選んだダイニングセットの相性もぴったり。

モダンな都会的空間の中で、自然素材の質感が空気を和らげている

T夫妻の感性を的確に捉えたサンプロの提案もさることながら、その提案を土台として、暮らしをより洗練させている夫妻自身のセンスのよさも光る。リビングのソファも、ダイニングセットも夫妻がこの空間に合わせて選んだ。照明などとの相性の良さは、この空間を演出したコーディネーターの心をもくすぐった。遊びに来た夫妻の友人は、この家を見て言ったそうだ。「このままほしい!」
ご主人たっての願いの薪ストーブは、二人の時間の過ごし方も変えた。仕事から帰ってストーブに火を入れると、ずっと炎を眺めて過ごすという。この冬は、週末のたびに夫婦で薪づくりに精を出し、来シーズンいっぱい使える分を確保した。ストーブの暖かさは家中に行き渡り、寒さ厳しいこの冬も快適に過ごせたという。すぐ近くに住む奥様のご両親も、「ここに住みたいね」と言ってくれた。
住む人の感性とその舞台の肌が合うと、やっぱり誰の目にも素敵に映るのだ。

自分たちの感性に合うインテリアに囲まれて、夫婦の会話も自然と弾む。

左:小さな窓が愛らしい主寝室は、清潔感もあって好印象。
右:A 階段を上がったところの吹き抜けに面した壁には、本来階段の手すりに使う黒のアイアンを単品で用い、アクセントとした。
  B 寝室から吹き抜けに向けて開く窓。このアイデアとデザインイメージはご主人のもの。
  C 洗面所の壁はペパーミントグリーン。爽やかな朝が迎えられそう。ここでも木の素材感が効いている。

LDKの照明は、微妙に高さを変えることで奥行き感を演出し、上質でぬくもりのある空間をつくっている。

Owner’s Voice

悩む時間を多一説にしました。
「こうしたい」のすべてがかなった。

  • Q1家を建てるときに「こだわったこと」を教えてください。

    限られた予算の中でやることですから、どこにお金をかけて、どこで削るかが大問題です。その際、悩むことはとことん悩んだことが、結果としてよかったと思います。面倒くさいと思っても、「いいや」じゃなくてちゃんと考えてみる。その積み重ねは、振り返るといい思い出でしたし、時間をかけた分だけ納得できる家になりました。

  • Q2実際にサンプロの家に住んでみての感想を教えてください。

    自分たちが思い描くイメージを正確に受け取ってくれて、「これはどうですか」とズバリ的を射た提案がもらえました。おかげさまで、私たちの「こうしたい」がすべてかなった家になりました。設計にしても、照明などのインテリアにしても、私たちにぴったりのアイデアが出てくるのは、その元になるサンプロさんの引き出しが豊富だからだと思います。

Plan & Data

敷地面積
320.64㎡(96.99坪)
延床面積
90.26㎡(27.30坪)
1F面積
47.20㎡(14.28坪)
2F面積
43.06㎡(13.02坪)
設計者のこだわり
自然素材でできたコンパクトで可愛らしい南欧風の家です。ダメージ加工の手づくり感あふれるホワイトタイルキッチンと、約150年前のイギリス製アンティークレンガを用いた暖炉ステージがポイント。アンティーク調にコーディネートされたLDKは奥行きを感じさせるとともに、吹き抜け上部の窓から光が差し込み、明るく開放的で気持ちのよい家族の憩いの場となっています。

著作権について
このページに記載されている記事本文、写真等は「住まいNET信州」VOL.18より転載しています。
こちらの情報の著作権は、住まいづくりデザインセンター信州に帰属します。

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