松本市 | 注文住宅 | 暮らしの手間が豊かさを織りなす住まい

松本市 | 注文住宅 | 暮らしの手間が豊かさを織りなす住まい 松本市:F様邸/家族構成:3人

片側が長い切妻屋根とナチュラルな色合いが、背後の北アルプスによく似合う。長時間歩いてようやく辿り着いた山荘のようにも見え、心が和む。

Story

リビングの窓は、北アルプスが見える西側に大きくとった。奥にある2脚のソファは、ご両親が長年愛用してきた飛騨家具。手仕事の品がよく似合う空間だ。

「北アルプスを見晴らす別荘がほしい」
親子の会話から始まった家

「お父さんとお母さんは、年取ったらどうするの?」
離れて暮らす二人のことが気掛かりで、ある日Fさんは両親に聞きました。勤め先のある松本での暮らしも気に入っており、すぐに岐阜の実家へ戻れそうになかったからです。
「今はまだ二人暮らしで大丈夫。でも、お父さんの仕事が一段落したら、田舎でのんびり過ごすのもいいわね」
「別荘みたいなのがあればいいなぁ。眺めがよくて、薪ストーブがあって」
「将来は自分たちがそこに住むけれど、それまでは管理人代わりにお前が住めばいい」
そんなやり取りから住まいづくりが始まりました。
ご両親の要望は、山が見えること、風通しがいいこと、冬暖かいこと、お嬢さんの通勤に支障がないこと。折良くサンプロ不動産から、北アルプスが見晴らせ、インターからのアクセスもいい土地を紹介してもらいました。聞けば同社は、自由設計の家も手がけているとか。デザイン性が高いだけでなく、断熱性能に優れ、自然素材をふんだんに使っている点が気に入り、サンプロ建築設計を住まいづくりのパートナーに選びました。

キッチンの奥まで冬の日が差して明るいLDK。暖かな家にするには断熱性能もさることながら、日射取得も大切なポイントとなる。

左:料理の作業台と食卓を兼ねるセンターテーブルは、Fさんたっての希望を形にしたもの。料理も食事も楽しくなる、暮らし上手な工夫。/右:ストーブの前は、お父様のお気に入りの場所の一つ。炎の揺らめきを見ていると、自然と肩の力が抜けて、気持ちもほぐれていく。

ご両親のリクエストに加えFさんが大切にしたのは二つ。ご両親だけでなく妹家族が来てもゆったり過ごせるよう、リビングとキッチンはできるだけ広くすること。そして、手間を尊ぶ暮らしをすること。
キッチンにはパンやお菓子をつくる際の作業台になるセンターテーブルを設けて、食卓も兼ねるスタイルに。暖房はお父様の希望どおりの薪ストーブ。これを置いた土間は、FさんのDIYスペースにもなります。手をかけて料理をし暖をとること、小さなテーブル程度なら自分でつくってみることなど、その時間も含めて得られる豊かさを味わいたいと考えました。自然体で手づくりを楽しむ人らしく、家のエクステリアやインテリアも山荘のようにナチュラルでありながら、スタイリッシュな印象に仕上がっています。
今、Fさんのご両親は、月に一度ほどこの家で過ごします。お父様は愛蔵のLPレコードに針を落としてストーブの炎を眺めたり、お母様はFさんと一緒にキッチンに立ったり。
この日も常念岳をはじめ雪を頂いた山々が凜とそびえていました。春になったらFさんは、ハーブや花のあふれる庭づくりに挑戦するのだそうです。

2階のフリースペース。夏に妹さん家族が来たときは、ここもベッドルームになった。吹き抜けに面しているので開放感があり、いろいろな楽しみ方ができそう。

左:造り付け家具の取っ手、吹き抜けの手すり、シーリングファン、スポット照明などの色はブラックにして、空間のアクセントとしている。/右:主寝室。木のぬくもりと優しさに包まれて、森のホテルに泊まっているよう。

左:木のナチュラルな質感を生かしながら、シンプルで清潔感あふれる洗面所。/右:玄関収納も十二分に確保した。黒い壁は黒板になっていて、家族へのメッセージを書くのにも便利。

左:リビングから一段低くなった土間は、腰掛けるのにもちょうどいい。FさんはここでDIYも楽しむ。/右:FさんがDIYでつくったテーブルがリビングを彩っている。ドライフラワーも手づくり。

Owner’s Voice

手間をかけることを楽しめる家です

  • Q1家づくりで一番大切にしたことは?

    人が来たときも、一人で過ごすときも居心地がいい家。

  • Q2こうしておいてよかった、
    と思ったことは?

    パンやお菓子づくりを楽しめダイニングテーブルにもなるセンターテーブル。ウッドデッキとつながって掃除もしやすい土間スペース。

  • Q3このビルダーさんに頼んで
    よかったことは?

    小さな薪ストーブでも十分に暖かい確かな断熱技術と施工。設計の自由度が高いこと。

Plan & Data

敷地面積
201.95㎡(60.97坪)
延床面積
129.17㎡(39.00坪)
1F面積
81.15㎡(24.50坪)
2F面積
48.02㎡(14.50坪)
設計者のこだわり
北アルプスの眺望を最大限に生かすリビング開口やウッドデッキ。DIYにも便利な土間スペースと薪ストーブ。ご両親のリクエストに加え、作業台兼ダイニングテーブルを中心に置いたキッチンスペースなど、手間を楽しみ暮らしを慈しみたいという想いを形にした家。この家で過ごす人がゆったり過ごせるようキッチンとリビングはできる限り広くとりました。

●著作権について
このページに記載されている記事本文、写真等は「住まいNET信州」VOL.32より転載しています。
こちらの情報の著作権は、住まいづくりデザインセンター信州に帰属します。

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