風土に馴染むカフェ風の家上伊那郡
STORY
空間全体が醸し出すカフェの雰囲気
リンゴ畑に囲まれ、背後には里山。そして洋風瓦のかわいらしいたたずまいが織りなす、夢物語のような風景。
白を基調にすっきりしたデザインながら時折アールを用い、木の温かい色合いをアクセントにしたインテリア。
引き出しの金具までこだわった手づくりのキッチン。
誰もがふと立ち寄りたくなるカフェのような注文住宅だ。最短を追求した家事動線
住まいづくりで誰もが気になるのが家事動線。
家事動線の計画がきちんとなされていれば、スムーズに炊事洗濯ができ、暮らし全体にゆとりが生まれる。
しかも無駄なスペースが省ける分、リビング・ダイニングがより広々とできるのだ。
この住まいも、勝手口>パントリー>キッチン>脱衣・洗面>浴室という家事動線を最短にすることで、家事効率を向上させるのみならず、広々としたリビング・ダイニングを獲得することに成功している。
効率アップは暮らしのゆとりにつながるのだ。家族それぞれの居場所を約束する造作カウンター
この住まいは、1階がLDK+水回り、2階が各寝室+書斎という構成。
1階・対面式キッチンのまわりには、機能上必要な棚だけでなく、お気に入りの小物を飾れる飾り棚やニッチがそこかしこに設けられ、一家団らんのシーンを楽しく演出する。
一方、一人の時間を持つ仕掛けとして、タモ集成材の造作カウンターが3箇所用意されている。
1階キッチン脇と、2階子ども室および書斎だ。
自分自身と向き合う時間があるからこそ、逆に家族が一つになれるというもの。
住まいをきゅっと引き締める「おへそ」のような場所なのだ。ライフステージとともに変わる寝室の使い方
住まいが長く愛されるためには、いかに将来のライフステージを見据えているかが肝心だ。
子どもが生まれ、成長し、やがて巣立ち、再び夫婦2人で暮らす。その変遷に柔軟に対応できない住まいは、長く住むには不向きなのだ。
その点、この住まいは違う。
2階にある主寝室が12畳もの広さを持っているから、子どもが小さい間は大広間として、子どもが成長すれば間仕切りを入れて主寝室と子ども室に分けることができる。
子どもが巣立った後は、和室を寝室として使えば、1階だけで全ての生活がまかなえる。
スクラップアンドビルドの風潮に流されない、地域に根付いた住まいづくり。
だからこそ、この作り手が信用できるのだ。懐かしい縁側を再現したデッキ
かつての住まいはいずれも軒下に縁側があり、外部との中間領域として機能していた。
それはデザインとしてだけでなく近隣との交流にも生かされていたのだ。
この住まいにも1階和室の南側に、縁側の現代版ともいうべきウッドデッキが用意されている。
しかも和室を囲んでリビングまで伸びているので、くつろぐだけでなく天気がいいときの物干しにも便利だ。
懐かしくて新しい縁側の再現。どんな物語をつむいでくれることだろう。