スタイリッシュに過ごす森の家

スタイリッシュに過ごす森の家 安曇野市/O様邸/家族構成:2人

Story

安曇野の森を感じながらくつろぐセカンドハウス

白をベースとした室内に、ステンレスのキッチン、黒色の家具がアクセントになって、とてもモダンな空間だ。外に広がる森がなければ、都会の住宅の中にいる錯覚に陥る。でも、インテリアが洗練されていてなお心休まるのは、たとえば2階の天井に無垢の木をしっかり見せているように、自然素材の質感が空気を和らげているからだ。
この家は、O夫妻の別荘である。奥様がお父様から譲り受けた建物を長年使っていたが、2012年、同じ土地に建て替えた。当初リフォームも検討したものの、セカンドハウスにもフラット35が適用できると知り新築を選択。建築会社にサンプロを選んだのは、ご主人は断熱や使っている木材の信頼性など機能面を重視したからで、奥様はシンプルですっきりしたデザインにセンスの良さを感じたからだ。
お二人は今、首都圏でソフトウエアエンジニアとして忙しく働く。ここは夫妻にとってかけがえのない憩いの場だ。日ごろからスタイリッシュで、合理的な思考をもち、しかも心豊かに暮らすゆとりと術を身につけている二人のスタイルが、この家には生きている。 開口部の大きな窓からは、安曇野の森が四季折々の彩りをみせ、都会での仕事の疲れを穏やかにほぐしてくれる。
大人がオフを楽しむための、別荘の新しいかたちがここにある。

左:別荘とはいえキッチン設備は充実し、しかもスタイリッシュ。リビングの球形の照明も優雅な気分を促す。/ 右:無垢の木の勾配天井が美しい2階のフリールーム。 ここから見る森の眺めも格別。

左:外壁の色は黒。森の別荘といえば、木の素材の色が多い中でとてもシックだ。雪景色にも新緑にもよく映える。ドアや庇の色合いも可愛らしさを演出している。/右:スタイリッシュ過ぎたらくつろぎにならない。だから、天井の木部など自然素材の質感で空間を柔らかに演出する。

安曇野穂高の森の息吹がそのまま室内で感じられるLDK。基調の白に対する黒のきかせ方——モノトーンバランスに、住まい手のセンスを感じる。

モダンな都会的空間の中で、自然素材の質感が空気を和らげている

緑豊かな森に佇む家だから、家の中にその景観を取り込むことを重視した。リビングに入って最初に目にするのは、大きな窓で縁取られた安曇野の森だ。ガラス越しなのに、二つの空間が連なったような奥行きを感じる。もちろん窓を開け放てば、森を吹き渡る風の匂いまですがすがしい。そんなリビングの、薪ストーブ脇のソファで過ごす時間がお気に入りだとご主人は話す。
「ここに座ると家の外を見ても内を見ても心が和みます」
その視線に奥様がやさしい笑みで応えながら、二人の審美眼に適ったキッチンで、自ら焼いたカップにコーヒーを淹れている。なんて素敵なご夫婦なのだろう。
バスルームは2階にある。これも森の四季を思う存分楽しむのが狙いで、まさに露天風呂気分を味わえる。ガラスで仕切られた脱衣所の洗面台の前が一面の鏡になっているから、バスルームが余計に広く感じられる。隣のトイレも含め、床をシックな黒のタイルで統一したのも素敵だ。ここには床暖房も効いていて、寒さ対策も万全という。
2階へ上がったところにある勾配天井下のスペースは自由に使う。持ち帰った仕事をカウンターでしてもいいし、夜ならばトップライト越しの星空を眺めるのもいい。
実は旧別荘時代から、Oさん夫妻は年末年始を友人家族とこの森で過ごすのが恒例で、今年も同じ顔がこの家にそろったという。二人の新しいセカンドハウスでさぞや話に花が咲いたはずだ。

黒の外観から玄関を入ると、白の世界が待っている。
その奥の窓には、森の緑が輝く。右手はゲストルームへ通じる。

左:2階にあるバスルームは、リゾートホテルにいるよう。窓からの景色も、非日常の贅沢なくつろぎを約束してくれる。
右:A 美しい森を目の前にコーヒーを飲みながらネットサーフィンもできる。
  B コーヒーカップは奥様が趣味の陶芸で焼いたもの。大人の遊び心がのぞく。
  C ステンレスの無機質な素材感と、側面のデザイン性の高さが、LDKの空気を品よく引き締めている。

左:寝室では、横長の窓とその上の間接照明が心も身体もほぐしてくれる。夫妻が選んだ壁紙もおしゃれだ。/ 右:夜の帳が降りるころ、屋外の照明が灯る。
窓からもれる明かりとともに、森に光を投げかける。

Owner’s Voice

空間構成力と提案のセンスのよさ、
自然の中で心解き放たれる安らぎ。

  • Q1家を建てるときに「こだわったこと」を教えてください。

    二人で描いた落書きのような間取りを、設計の山本さんが僕らのイメージどおりにピタリと収めてくださり感動しました。インテリアコーディネーターの熊倉さんからは、照明の選択をはじめ、センスあふれる提案をたくさんしてもらいました。現場監督の米倉さんによる繊細で心のこもった大工仕事にも感謝しています。素材が生かされた居心地のいい家となり、とても気に入っています。

  • Q2実際にサンプロの家に住んでみての感想を教えてください。

    みんなが集まって楽しい時間を共有でき、自然を感じられる心休まる空間を目指しました。森に囲まれた環境を借景とし、さまざまな景色を室内に取り込むことによって、薪ストーブを中心とする森や空へつながるリビング、リビングを見下ろす2階のカウンター、森を見渡すバスルームや窓際のカウンターなど、あちこちに居心地のいいお気に入りの場所ができました。

Plan & Data

敷地面積
345.11㎡(104.39坪)
延床面積
106.36㎡(32.17坪)
1F面積
63.10㎡(19.09坪)
2F面積
43.26㎡(13.09坪)
設計者のこだわり
古い建物を建て替えて、別荘にするという計画の下、プランニングを行いました。ステンレスのキッチンや、モノトーンでまとめられたインテリアが、シックでモダンな空間をつくりだしています。また、吹き抜けに面した大きな開口部からは、豊かな森の美しい緑が眺めることができるため、室内でくつろぎながらも、四季折々の豊かな自然を肌で感じていただけることと思います。

著作権について
このページに記載されている記事本文、写真等は「住まいNET信州」VOL.18より転載しています。
こちらの情報の著作権は、住まいづくりデザインセンター信州に帰属します。

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