信州の気候風土に寄りそう住まいで、DIYと薪ストーブを楽しむ松本市
STORY
平屋のように
おおらかでモダンな外観外観はおおらかな平屋のように見えるよう、2階部分のボリュームを抑え、1階をゆったりと設計した。
L字型で建物を構成したことで、見える外壁の面積が大きくなり、ゆったりと広い印象を与える。
建物の重心が低くても威圧感を与えないのは、塗り壁の外壁をブラックとホワイト、ツートーンで切り替えることで視覚的なボリューム感を和らげているから。
アクセントウォールの天然スギが、外観に温もりを添える。
モノトーンと木、3色の素材で構成したモダンな佇まいだ。パッシブデザインと
太陽光発電で創エネな住まい当初、施主夫妻は平屋をイメージしていたが、使い勝手を考慮して当社の建築士が提案したのは、コンパクトな上階をプラスした2階建て。
それにより生まれたのが、リビング上部の伸びやかな吹き抜けだ。
垂直方向の広がりが、面積以上の開放感をもたらしてくれる。
吹き抜けに面した南向きの大開口が日射を取り入れ、住まい全体を明るさで満たす。
同時に、断熱性能との相乗効果で冬の室内を暖かく保つ。
夏の心地よい風の抜けにも配慮した、パッシブデザインの住まいだ。
屋根には太陽光発電パネルを搭載。
エネルギー事情が不安定な時代でも、創エネ設備が安心を提供してくれる。住まいを温もりで包み、
心を癒す薪ストーブLDKに入ると、キャンプ好きなご夫妻念願の薪ストーブの炎が存在感を放つ。
デンマーク生まれのシンプルなデザインが、天然木を使った空間に美しく調和する。
住まいが位置する松本市は、真冬は氷点下に至る日も多い。
足元から暖める薪ストーブの熱が、吹き抜けを通じて住まい全体を心地良い温もりで包む。
炎を眺めて家族団らんを過ごしたり、お酒の時間を楽しんだり、
薪の光と温もりが、暮らしを豊かに彩るだろう。木のぬくもりと
モダンが同居するインテリアDIYが趣味のご夫妻。
カスタムできる余白を残した住まいは、住まいへの愛着をいっそう高める。
玄関ホールの壁は一部をラフなOSB合板仕上げに。
棚をつくり付けたり自転車を見せながら飾ったり、アイデアを生かして楽しめそうだ。
土間をイメージしたモルタル仕上げの床は、DIY作業やアウトドア用品のメンテナンスに活躍するだろう。
天然木をふんだんに使った室内は、心落ち着く温かな雰囲気。
屋根勾配が現れたLDKの天井は、木目の表情が印象的な屋久島地スギ材で仕上げ、フローリングには柔らかな色合いの県産安曇野マツをセレクト。
キッチンカウンターの腰壁やリビングのアクセントウォールなどインテリアのポイントになる部分にも天然木を取り入れて、夫妻が愛する植物が似合う、ナチュラルモダンな空間にしつらえた。暮らしに溶け込む
ワークスペース子育てをしながら、自宅でリモートワークを実行中の奥様。
「家でも落ち着いて仕事ができる環境がほしい」と、主寝室の隣にコンパクトなワークスペースを設計した。
生活音が届かない個室のため、部屋に入ることで仕事モードに自然と切り替わる。
幅2.7mの造作カウンターは、PCもプリンターもゆとりを持って置ける広さ。
LDKの様子が見える室内窓や、庭に面した窓を設けて、子どもの様子を時おり確認しながら過ごせるのも安心だ。将来を見据えて、
生活機能を1階に集約現在はご夫妻とお子様の3人暮らし。
しかし長い目で見れば親子で暮らす期間は短く、お子様の独立後、夫婦2人で暮らす期間の方がずっと長い。
そこで、使い方が変化しやすい子ども部屋はあえて2階に配し、主寝室や水まわりなど、主要な生活機能はすべて1階に集約した。
夫婦2人暮らしになれば、平屋のように最小限の動線で生活できる。
20年後、30年後の未来を見据えた安心の間取りだ。